636515 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

かりん御殿

かりん御殿

多言語育児2

【手結川家・多言語体験談】
**手結川敦仁編*第ニ章**

《四歳から七歳まで》
一年後、4歳10ヶ月で
とうとう義務教育(週5日・朝9時~午後3時15分)が始まった。
幼稚園が付属していた公立小学校だったので
Receptionクラス(=準備級?)の半数はNursery時代の友達で
30人全員が同じ年の9~12月生まれという環境だった。

長男は「SEN(Special Educational Needs特殊教育)」のグループに入り
5~6人のクラスメートとともに
SENの先生・担任・クラスアシスタントから
英語学習の補助を受けられる様になった。
私は、この補助学習が、今の長男の英語の基礎を築いたと思っている。

学校からは、毎週一冊、親に読んでもらっても自分で読んでもよい絵本と
毎日一冊、必ず自分で音読しなければいけない絵本を借りて来た。
そして、この本の中から好きな場面の文を2つ以上ノートに書き写し
絵をつけるという課題が毎日出た。
借りる本は自分で選べるが、本には色のついたシールが貼られ
能力に合った色の本しか借りられない様になっている。
(この課題はYear2まで続いた。)

この頃から、以前は、やはり拒否していた文字学習にも
徐々に興味を示す様になり、もともとパズル好きだった事もあって
文字パズルの様なドリルを日本語や英語で始めた。
日本語の方は、文字学習用のオモチャもたくさん買い
あれこれ工夫したものの殆ど覚える事がなかったが
英語の方は、文字とスペルの関係等どんどん理解し始めている様だった。

実は、英国の公立小学校では日本の様に個人個人に教科書が配布されない。
またクラスも日本や(アメリカも?)の様に
先生が前にいて生徒は一人一人が机を持ち
同方向に並んで座るという形ではなく
5~6人の小グループに分かれて大きいテーブルを共有し
各自が子供用の小さな椅子にかけて
先生の方ではなくクラスメートと向かい合う形で坐る。

そして、基本的に、先生が課題を全クラスに説明した後は
5~6人の小グループに分かれて
それぞれのグループの能力に合った課題を行なう。
(↑長男の学校は能力別グループ編成だが能力混合型の学校もある。)
教科書代わりにワークブックのコピーの様な物が
一人一人に配られる事が多い様で
課題に関した教材等をこのグループごとで分け合う事もあるそうだ。

グループで課題を解いている時に
担任やアシスタントは順番に短時間グループを見てまわるのだが
SENのグループには、常に補助を与えられる様に
SENCO(Special Educational Needs Coordinator)と呼ばれる専門の先生や
担任かアシスタントが常する事になっている。

長男は、Reception、Year1と、算数以外は、このSENのグループで過ごした。
算数は家で日本語のドリル等をやっていたせいもあるのか
Year1時代から上のグループに入っていた。
そしてYear2から、英語も中間レベルのグループに属する様になった。

また、この頃から、突然、自分で、学校の宿題以外の英語の本を読む様になった。
物語ではなく野生動物や想像上の動物等について紹介した本を
本屋で買ったり図書館で借りたりして読みながら
学校に提出するノートや自分自身のノートに
書き写したり、自分で考えながら色々と書いたりしていた。
同時に、Year1の第二学期から、週一回中国語の補習校に通い始め
一年生なのに「麺」の旧字や「餐」等々複雑な漢字まで習う様になった。

さて、英国の小学校はPrimary Schoolと呼ばれるが、これが、さらに
Year2までのInfant SchoolとYear3~6までのJunior Schoolに分かれる。
同じ学校でInfantからJuniorまで学ぶ所も多いが長男の学校は、分かれていた。
その為、Year3からは殆ど同じクラスメートと
新しい校舎・新しい担任の下で勉強を始めた。
(ちなみにInfantでは3年間同じ担任。)

Year2の最後に公立校全国統一試験があるのだが
長男は、この成績が悪くなかった為(特に算数が良かった)
Year3から、能力が上のグループに入る事になった。
このグループは、課題によって移り変わる事もある。

ところで、長男のクラスのトップは、Receptionから現在まで、ずっと
7歳にして特例的にMensa(IQの高い人がテストを受けてメンバーになる頭脳組織)
に加入したという天才的インド系児童で
長男は、この「何でも知っている(長男談)」
(しかも)可愛い女の子と同じテーブルについていたい為に
当時は、はりきっていたのではないかとも思う。
year1時代、彼女にプロポーズした事(結果不明)に言及すると
烈火の如く怒るので大きい声では言えないが....。
ちなみに、この、天才少女は、Year3終了後にYear5に飛び級をしたので
今は、同じクラスではない。

目次に戻る
第三章を読む
第二章に戻る


© Rakuten Group, Inc.